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だんじり祭りを10倍楽しむ基礎知識♪
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ここ数年、地元だんじり祭りの撮影をしているのですが、この ”だんじり” というのはナカナカに奥が深いです。
だんじりを動かす上での基本的な理屈や全体の連携が分かってくると、だんじり祭りを一層楽しめるようになると思います☆



だんじり曳行に携わる各部署の役割は、前方から順に以下のようになっています。
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●『綱 (つな)』 : だんじりを動かす原動力で基本的に青年團が担当。 実際には綱の先頭付近を ”綱先 (つなさき)”、中付近を ”綱中 (つななか)” と言い、綱先は綱がたるまないように張って、綱中が全力で引きます。 クルマに例えるとエンジン。
●『綱元 (つなもと)』 : 綱の中でもだんじりに近い位置の者達で、青年團の中でも年長者が担当。 綱先・綱中のだんじりを引く力を利用して、やりまわしの際にはだんじりの方向転換にも関わる重要な部署。
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実際の曳行では大きな力が掛かる危険な部署でもあり、綱元部分だけ手首を通す輪がついています。
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●『前梃子 (まえてこ)』 : 左右に一人づつで基本的に若頭が担当。 だんじりの前コマに木製の梃を噛ますことで、左右どちらか一方の場合はだんじりの方向を変える役割、両者同時の場合はブレーキの役割を担います。
●『ブレーキ』 : メインとなるブレーキで基本的に責任者クラスの者が担当。 足元にあるのがブレーキペダルです。
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だんじりの屋根に乗っているメンバー全員を ”大工方 (だいくがた)” というのですが、その中で、
●『大屋根 (おおやね)』 : 各町だんじりの ”顔” ともいうべき花形で、やりまわしの際には方向転換のタイミングを取る役割も担います。
●『小屋根 (こやね)』 : 左右に一人づつで、大屋根の指示を後梃メンバーに伝える役割と、だんじりの向きを制御する役割を担います。 クルマに例えると方向指示器なのですが、方向転換のタイミングと度合いを正確に判断して後梃子に伝えなければならない重要な役割です。
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●『後梃子 (うしろでこ)』 : だんじりの向きを変える役割を担います。 どちらかというと前梃は方向転換のきっかけ作りで、後梃が方向転換の主体になります。 基本的に若頭が担当し、やりまわしの急旋回の際は最も怪我する確率が高い部署です。
クルマに例えるとハンドルに相当する部署ですが、基本的に後梃子のメンバーにはだんじりの前方など全く見えないので、曳行中は全員が小屋根を見上げて、方向修正のタイミングと度合いの合図を待ちます。

で、だんじり自体にはハンドルというモノが無いので、何もせずに放っておくと基本的にひたすら直進するだけの4トンの塊です。
なのでだんじりを方向転換させる場合は、後梃子のメンバーが
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うおぉりゃあぁぁっ Σ(`口´; =3

と、コマを滑らせてだんじり全体の向きを変えるのですが、”滑らせる” ワケですからその度にコマが地面に削られるので、
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だんじりのコマはあっという間にボロボロになります。。。

で、だんじりの一番の見どころは ”やりまわし” という90度の高速コーナーなのですが、
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スタートの合図と共に綱が全力で引いて加速し、
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大屋根が飛び移って、
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方向転換のタイミングを取ります。 この時も、後梃子のメンバーには大屋根の人間は直接見えないので小屋根の合図を見ています。
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続いて小屋根が後梃子に合図を送り、それとほぼ同時のタイミングで前梃子 (左コーナーなので左側担当のみ) が梃子を噛まします。
このまま、
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後梃子メンバーが全力で方向転換させるのですが、
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この時反対側で綱 (どんす) の端を握る者は後ろに体重を掛けながら常に小屋根を見上げています。
で、だんじりの向きが90度変わるタイミングで、左右両方の小屋根が同時に後梃子に合図を出して、
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その瞬間にカウンターを当ててだんじりが90度以上に回転しすぎるのを防止します。

この辺の連携は コチラの動画 でよく分かると思うのですが、実際には 『大屋根 >> 小屋根 >> 後梃子』 と ”伝達するコト自体” にタイムラグが出ますので、大屋根はその辺も計算に入れた上でタイミングを取る必要があります。 この伝達のリズムをメンバー全員が上手く掴めているとやりまわしの成功率も高いです。

ただ実際には、やりまわしで一発でキチッと進行方向にだんじりを向けられるコトはほとんど無く、多くの場合、回転角度が足りなかったり多すぎたりします。
その場合は続けて方向を微調整しなければならないのですが、そうなった時に真価が問われるのが小屋根の状況判断力です。
後梃子のメンバーが再び体勢を整えるには、1回1回それなりに時間が必要になるので、その体勢が整っていない状態で焦って合図を出してしまうと後梃子の息が合わずに舵が切れず、そして一発目の微調整で修正し切れなかった時点でもはや失敗は決まったも同然となります。

あと、やりまわしには常に危険が伴って、
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特に後梃子のメンバーは、
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後方の者になるほど同心円的に移動速度も速くなり、
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だんじりのコマがグリップを取り戻した瞬間に慣性の乗った自分自身の体重が片腕一本に掛かってしまうので、
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その結果としてしょっちゅう吹っ飛ばされてしまいます。 コマの滑り具合など路面状態1つでガラッと変わってしまうので、場合によってはこの時点で後梃子メンバーの半数近くが振り飛ばされてしまうコトもあります。
(但し、やりまわしは上手く成功するほどスピードも乗るので、その場合アウト側後方の後梃子はだんじりの動きに付いていくのはとても不可能なほどの速度になります。 その場合はコマにグリップを与えるコトも含めてわざと手を放す場合もあります。)

で、前の綱はどうかと言うと、
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綱で目いっぱいに ”弧” を張った状態から、
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一気に引き始めます。
この時、だんじりに対しては、最初の内は弧の方向 (だんじりの向きにまっすぐな方向)に力が作用するのですが、
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綱が引かれるほどに、綱の ”弧を作っていたメンバー” が右折方向に向かうコトになるので、その結果として綱元のメンバーだけでは弧を維持しきれなくなります。
このタイミングで、綱元はその力を利用して、
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反動で逆方向にしなるような向きにだんじりに力を伝えます。
この結果、だんじりの前方では右向きの力が作用して、後ろ梃子では左向きの力が作用するコトになるので、これらが相乗的に働いてだんじりが高速で向きを変えることになります。
この時、綱元の人間はモノ凄い力で左右に振り回されるコトになるので、
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やはりちょっとバランスを崩すだけで吹っ飛ばされてしまいます。
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この時、綱を握る手を放しさえしなければ、
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そのまま引きずられて移動できるのですが、ココで手を放してしまうとすぐ後ろに迫っているだんじりに轢かれてしまう危険が発生するコトになります。
つまり綱元の場合、万一転倒した時はそのまま引きずられる方が安全で、綱元だけ手首を通す輪があるのもそのためです。

ちなみにこの時、ブレーキ責任者がブレーキペダルに足を掛けているのが分かると思うのですが、だんじりの場合は屋根にも人が乗って飛び跳ねているので、屋根の人がジャンプした瞬間にヘタにブレーキを踏んだりすると、今度はその人が慣性で前方に転落してしまう危険が生じるコトになります。 ですので 『危ないと思ったらブレーキを踏めばいい』 というホド単純なものでもありません。

ブレーキ責任者は、仮にだんじりの進行方向がズレて目の前に電柱が迫ってきたとしても、クルマのように自分でハンドルを切るというコトができません。
この時、『後梃子が舵を切ってくれるハズ』 と信じるコトが基本なのですが、トコロが先述の通りこの時点で後梃子メンバーの半数近くが抜けてしまっている場合も有り得て、その場合はもはや人数が足りなくて方向修正はまず不可能となります。 その ”後梃子のメンバーが抜けずに揃っているかどうか” という状況が、その時その時でブレーキ係の人には分かりません。

『後梃子が舵を切ってくれるハズ』 と信じてブレーキを踏まず、トコロがその時に後梃子のメンバーが振り落とされてしまっていると舵が切れずに電柱に衝突・・・ということになります。
傍から見れば 『なんでもっと早めにブレーキ踏まないの??』 と思えるかも知れないのですが、少々のことでいちいちブレーキを踏んだりすると 『後梃子を信頼していない』 と同時に 『綱の引きの努力』 も無駄にしてしまうコトになるので、色んな意味で ”ブレーキを踏む = 全体のまとまりにもブレーキを掛ける” というコトに繋がってしまいます。
ですので、だんじりは ”いかにブレーキを踏まずに走り抜けられるか = いかに全員がまとまってだんじりを制御できているか” が根本的な見どころの1つで、ブレーキ責任者こそ極限の忍耐力と判断力が必要とされる最も重要な役割だったりします。

・・・と、ココまで読んで気が付いた人もいるかと思うのですが、つまりだんじりの場合、


走行中のだんじり全体の状況を把握できている人間は、

常に一人もいない


というコトになります。

全員が他の全員を信頼し、己の役割を全うするコトだけに全力を尽くし、それがガッチリと噛み合った時に、初めてだんじりはまともに走ります。

やりまわしが成功した時、なぜあれほどまでに皆が喜ぶのか。

その辺りを踏まえてご覧になると、だんじり祭りがより楽しめるようになると思います。

●2009年度の南周回大トリ:大庭寺さんのやりまわし
上北だんじり - 美福連合だんじり祭り情報
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by land-walker | 2010-10-15 23:00
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